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「非上場株式寄付」を日本で広げるためのご相談
お話の前提:先日福祉チャプターで講義させて頂いた「非上場株式寄附」についてですが、中々広まらない。「なんで?」、「どうすればいいか?」、推進のためのアイデアを御相談したい。
1.現状の課題
① (ドナー)(受益団体)のリスク
- 心理的なリスク:換金できない。第三者に渡されたら不安。
- 実務的なリスク:長い準備時間、交渉、税金リスク。
② 制度の研究不足+実績不足+信頼できる全国組織の不在
- 制度の改正ポイントの認知が広がらず、活用不足。
【平成30年改正「承認特例」】
これまで申請から2~3年はかかっていた非課税承認が、申請後原則1か月に
- 市場の潜在規模から計算するともったいない
【市場規模】200兆円 ÷ 【一件金額】2億円(推定)= 1万件
【一件時間】1~2年 ÷ 【毎年こなす件数】 = 1万年
⇒ 以上のハードルを乗り越える方法として、体制作り?
2.進めるメリットの説明
①200兆円潜在マーケットの開拓
- ー 個人資産における株式は日銀の資金循環統計によれば、昨年末に410兆円ある。
- ー うち個人の持つ非上場株式を試算すると200兆円。これが潜在的な市場規模。
⇒ 海外の事例をみる(参考1:米国)https://fpc.kff.fund/blog/62e5e9368a3
⇒ 日本独自の大きな市場できるか?
②ふるさと納税以上のインセンティブ?
- ー ふるさと納税は所得の2割、リターンが3割上限なら、還元メリットは6%程度かつ現物メイン。
- ー ふるさと納税は利用率が37.6%。
- ー 非上場株は相続税0、みなし譲渡所得税0となり、還元メリットは100%相当のキャッシュ。
- ー もし200兆円の潜在規模の1割でも利用があれば、20兆円の寄附になる。
③業界スタンダードの確立
- ー リスク回避や報酬が標準化されると不正を防ぎ、潜在ドナーと受益者を呼び起こせる。
- ー 「みなし譲渡所得問題」を解決できると、他の寄付に相乗効果が働き、寄付市場の拡大に。
3.今後必要なこと
① 制度研究、データ収集
- - 日銀統計などから個人所有の非上場株の規模(200兆円)を正確に把握する。
- - 寄附者や受益団体のリスクや心配を色々な機会に聴取する。つまり制度研究、データ収集。
② 体制づくり
- - 業界のスタンダードを確立し、信頼ある情報発信センター。米国のDAFsのような。
- - 受け皿の資格者が可能性を活かす。例えば、社会福祉法人で第1例(基金の証明書)を作る。
- - 国(国立大学)から動き、全国社協、認定NPO、そしてFRと広がれば、一角が動き出す。
⇒ 一事例を生むためお手伝いを無償で提供します。
この未来を善い形で誘導し、何とか誰もが喜ぶ形で着地させたい。
ご清聴ありがとうございます。